今回は、VBA初心者がまず押さえておくべき基本用語を紹介します。
この記事はこんな人におすすめです。
- 日々のExcel業務を効率化したい
- VBAを学びたいけど何から始めていいのかわからない
- そもそもの用語がわからない
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Excelの作業を自動化できるプログラミング言語です。
VBAを使うことで、ボタン一つでデータ入力を自動化したり、大量のデータを瞬時に処理したりすることができます。
プログラミング経験がない人にとっては、VBAの学習はハードルが高いと感じるかもしれません。
実際にVBAを学び始めると、多くの専門用語が登場します。

私も、モジュール?? プロシージャ??となっていました...
そこで今回は、VBA初心者がまず押さえておくべき基本用語を紹介します。
基本用語を理解することで、VBAの学習がスムーズになり、Excelを使った業務の自動化を始めることができるようになると思います。
用語の意味を忘れたときや、VBAの基本事項を調べるときなどの備忘録としてぜひ参考にしてください。
学習を始める前に知っておきたい用語
VBA(Visual Basic for Applications)
Microsoftが提供するプログラミング言語で、ExcelやWordなどのOfficeアプリケーションを自動化するために使用される。
マクロ(Macro)
一連の操作を自動化するために記録・実行できる機能。VBAのコードとして保存される。
VBE(Visual Basic Editor)
VBAのコードを書くための編集環境。Alt + F11キーで開くことができる。
モジュール(Module)
VBAのコードを格納する場所。
- 標準モジュール … 通常のVBAコードを格納する
- クラスモジュール … オブジェクト指向のプログラミングに使用される
プロシージャ(Procedure)
VBAのコードのひとまとまり。
- Subプロシージャ(Sub~End Sub) … 何かの処理を実行する
- Functionプロシージャ(Function~End Function) … 値を返す関数を作成する
変数(Variable)
データを一時的に格納するための入れ物。
- 宣言には
Dim
を使用する - 例:
Dim x As Integer
データ型(Data Type)
変数が持つデータの種類。
Integer
(整数)Long
(大きな整数)Double
(小数)String
(文字列)Boolean
(真偽)
定数(Constant)
変数と似ているが、途中で変更できない値。
- 宣言には
Const
を使用する - 例:
Const TAX_RATE As Double = 0.1
オブジェクト(Object)
Excelのセルやシートなど、VBAが操作できる対象。
- 例:
Range("A1")
はセルA1を指す
メソッド(Method)
オブジェクトに対して実行できる動作。
- 例:
Range("A1").Select
(セルA1を選択)
プロパティ(Property)
オブジェクトの特性や状態を示す値。
- 例:
Range("A1").Value = 100
(A1セルに100を入力)
Withステートメント
同じオブジェクトを何度も操作する場合に、コードを簡潔にするための構文。
With Range("A1")
.Value = 100
.Font.Bold = True
End With
条件分岐(If文, Select Case文)
特定の条件によって処理を分岐する。
- If文の例
If Range("A1").Value > 50 Then
MsgBox "50より大きい"
Else
MsgBox "50以下"
End If
- Select Case文の例
Select Case Range("A1").Value
Case 1: MsgBox "1です"
Case 2: MsgBox "2です"
Case Else: MsgBox "その他です"
End Select
繰り返し処理(Loop)
一定の回数や条件に応じて処理を繰り返す。
For...Next
(回数指定)Do While...Loop
(条件を満たす間)Do Until...Loop
(条件を満たすまで)- 例
For i = 1 To 10
Cells(i, 1).Value = i
Next i
メッセージボックス(MsgBox)
ユーザーにメッセージを表示する。
- 例:
MsgBox "処理が完了しました!"
入力ボックス(InputBox)
ユーザーから値を入力させる。
- 例:
name = InputBox("名前を入力してください")
エラーハンドリング(On Error)
エラーが発生したときに、処理を中断せず適切に対応する。
On Error Resume Next
Range("A1").Value = 1 / 0 'エラー発生
On Error GoTo 0
イベント(Event)
ボタンが押されたり、セルが変更されたりしたときに自動的に実行される処理。
Private Sub Worksheet_Change(ByVal Target As Range)
MsgBox "セルが変更されました"
End Sub
ユーザーフォーム(UserForm)
Excel上に独自の入力フォームを作成できる機能。
配列(Array)
複数の値を一つの変数に格納できる。
Dim arr(3) As String
arr(0) = "A"
arr(1) = "B"
arr(2) = "C"
コレクション(Collection)
複数のオブジェクトをまとめたもの。
- 例:
Worksheets
はすべてのワークシートのコレクション
Dictionary(ディクショナリ)
キーと値のペアを扱うデータ構造(Scripting.Dictionaryを使用)。
ファイル操作(File System Object, FSO)
ファイルの読み書きを行うためのオブジェクト。
参照設定(References)
VBAから他のライブラリ(例:Microsoft Scripting Runtime)を使用するための設定。
まとめ
以上、VBAの用語集になります。まだまだ多くの用語があると思いますが、最初に基本的な用語を押さえておくと、その後の学習がスムーズになると思います。
Excel VBAを学ぶことで、日常の業務を効率化し、作業時間を大幅に短縮できます。
初めてVBAに触れる方にとっては、専門用語が多く、ハードルが高く感じるかもしれません。
まずは基本的な用語を理解し、簡単なコードを書いて動作を確認することが大切です。
「マクロ」や「プロシージャ」などの基本概念を押さえた上で、「変数」「条件分岐」「繰り返し処理」などの基礎文法を理解することで、よりスムーズにVBAを習得できます。
エラーハンドリングやイベント処理が使えるようになれば、より実用的なスクリプトを作成できるようになります。
VBAは、少しずつ学習を進めることで確実にスキルを伸ばすことが可能です。
まずは基本をしっかり押さえ、小さなプログラムから実践していきましょう。
自分の業務に役立つスクリプトを作成できるようになれば、VBAの学習がさらに楽しくなるはずです。